ゲノム研究は、ヒトゲノムの全塩基配列の解析が完了した後、塩基配列のどの部分がどう違えば(塩基配列多形)どういう個人差に結びつくか(表現型)を明らかにすることが、その大きな目的の1つとなっています。それには、生物学的機能に影響を与えるタンパク質の濃度、局在性、同一性の変化をつきつめ、その変化が生体システムにどう影響するのかを解析することが重要です。これに向け、プロテオミクスは、特定条件下の生体内タンパク質網羅的研究において、生体システムの複雑な系を解析する重要なツールとして発展してきました。プロテオミクスによって得られた研究成果は、診断や治療に向けた新規バイオマーカーの発見や創薬に利用されています。
特に、ガン1) 、循環器系疾患2-3)など様々なヒトの病気において、疾患状態および健康状態のタンパク質の量変動の解析に有用です。質量分析(MS)を用いたタンパク質量変動の定量技術が進歩したことに伴い、分子レベルでの病因解明に力を発揮しています。
タンパク質の安定同位体標識技術およびMS解析技術の進歩により、生体システムにおけるタンパク質の量変動を定量化(定量プロテオミクス)することが容易になりました。これにより、内因性または外因性刺激による細胞内タンパク質の網羅的発現の絶対定量や、膨大な数の生体試料間におけるタンパク質量の相対定量が、世界中の研究室で行われています。MSを利用した“定量プロテオミクス”のために、
部位特異的タグ4)、代謝反応5)、酵素反応6-8)よりタンパク質へD、13C、15Nなどの「重い」安定同位体を標識します。この「重い」安定同位体で標識された試料を内部標準とし、「軽い」安定同位体または天然の安定同位体で標識された試料の2種類を用います。2種類を混合した試料をMSで測定し、「軽い」または「重い」安定同位体標識された同一のペプチド断片に由来する一対の質量スペクトルピークを比較します。特定のペプチドの「軽い」または「重い」安定同位体ピーク強度を比較することで、タンパク質量の相対定量を行えます。この手法により、特定の生体状態(疾患、飢餓、刺激等)に由来する多種のタンパク質を同時評価することが可能となります。安定同位体標識技術とMS解析技術の進歩により、定量プロテオミクスの研究対象とその可能性は拡大し続けています。
大陽日酸は、高品質な安定同位体標識製品をご提供することにより、“定量プロテオミクス”研究の発展に貢献してまいります。ご研究のターゲットとなるタンパク質を、酵素、化学合成、代謝等さまざまな手法にて安定同位体を標識するための製品をご提供いたします。また、お客様の高度で特殊なご要望に応じた安定同位体標識化合物の受託合成も承っております。是非お問い合わせください。
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