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安定同位体標識技術が拓くBiomolecular NMR

タンパク質の立体構造、動態あるいは相互作用などを原子レベルで解析可能なN M R法は、生命科学、医学 および薬学などへの学術的意義に留まらず、医薬品、食品および環境関連分野を含む幅広い産業分野において不可欠な基盤技術へと発展してきました。特に最近では、創薬ターゲットとして膜タンパク質、抗体、糖タンパク質、核酸およびそれらの複合体などの重要性が高まっており、これらを対象としたN M R測定・解析が盛んに行われております。しかしながら、これらの解析対象は、分子量の大きさに起因するN M Rシグナルの広幅化や縮重などの問題に加えてサンプルの調製自体も難しく、解析に資するNMR スペクトルを得る事が困難な場合が多いのが現状です。

タンパク質の高分子量化に伴う広幅化や縮重に対する解決法として、高分子量タンパク質中のメチル基を観測対象としたMethyl-TROSY 法が広く利用されております。このMethyl-TROSY 法では、タンパク質中の特定のメチル基のみを観測可能にするメチル基選択的な安定同位体標識タンパク質を測定サンプルとして使用します。この技術では、安定同位体標識されたアミノ酸前駆体を大腸菌発現系などの培地に添加することにより、アミノ酸生合成経路を利用して系中においてメチル標識イソロイシン、ロイシン、バリンを合成し、これらの合成されたメチル標識アミノ酸がタンパク質合成に利用されることによりメチル選択的安定同位体標識タンパク質試料が調製されます。

最近では化学合成された立体選択的メチル標識バリンやロイシンなどの遊離アミノ酸を各数十mg/L 程度培地に添加することにより、タンパク質中のバリン残基のγ1、γ2あるいはロイシン残基のδ1、δ2のメチル基を立体選択的に標識する技術も開発されました。またアラニン、メチオニン、トレオニンなどのアミノ酸においても同様に、それらのメチル基を安定同位体標識したアミノ酸を用いることにより、これらのアミノ酸残基側鎖のメチル基を同位体標識したタンパク質の調製が可能です。NMR 用の安定同位体標識タンパク質調製技術としては、無細胞タンパク質合成法が大腸菌発現系と並んで広く利用されるようになってきました。


無細胞タンパク質合成系は、大腸菌系では発現が困難な細胞毒性を有するタンパク質の調製が可能であるという利点に加え、少量の標識アミノ酸を代謝拡散させずに目的のタンパク質に組み込こませることも可能なため、メチル標識技術をはじめSAIL(Stereo-Array Isotope Labelling;立体整列同位体標識)法などの特定のアミノ酸残基側鎖の位置・立体選択的安定同位体標識に最適なタンパク質合成法としても利用されております。

一方、核酸や糖タンパク質などは、解析対象としての重要性は理解されているものの、無細胞系や大腸菌系を用いた方法では安定同位体標識サンプルを調製することは困難な為、現在まで様々な安定同位体標識技術の研究が進められてきました。核酸の安定同位体標識においては、酵素合成法や安定同位体標識アミダイトユニットを用いた化学合成法による安定同位体標識技術が報告されており、これらに使用する様々な安定同位体標識核酸が市販されております。

また糖タンパク質においては、動物細胞、昆虫細胞、酵母など様々な真核細胞発現系を利用した代謝標識技術が極めて有効であり、これらに使用する代謝前駆体の安定同位体標識の研究開発や製品化が展開されております。Biomolecular NMRが今日の発展を遂げた背景には、過去半世紀にわたり積み重ねられたNMR 研究者による多大な安定同位体標識技術の研究成果が大きな基盤となっております。大陽日酸は、このような安定同位体標識技術の研究成果の普及を通じて、最先端のN M R研究環境の整備や幅広いN M R応用研究の支援に努めてまいります。

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