2019年1月31日
大陽日酸株式会社(社長:CEO市原 裕史郎)は、「酸素-17安定同位体標識水(Water-17O)※1」の製造に国内で初めて成功し、研究用試薬として販売を開始いたしました。「Water-17O」は、将来MRI用造影剤の原料として、脳血流や脳髄液を含めた脳内水動態の画像化による様々な疾患の病態解析等への利用が期待されております。
北海道大学病院では、様々な疾患に対する17O-MRI検査法※2の臨床研究を進めており、当社はそこで用いられる酸素-17安定同位体標識水を含む17O-MRI検査用造影剤(臨床研究用試薬及び治験薬)の提供を行っております。
17O-MRI検査では、投与した造影剤中の酸素-17安定同位体標識水の動態により血流状態が詳しく観測され、脳血流や血管透過性等の検査を行うことができます。 また、SPECTやPETなどの核医学的検査と比較し、17O-MRI検査は放射被曝がなく且つ高解像度の撮像が可能で、小児や妊婦への適用も期待できます。 更に、脳血流だけでなく脳脊髄液を含めた水動態の画像化を実現することで、脳内のタンパク質老廃物の蓄積により生じる神経疾患(アルツハイマー型認知症やその他の認知症)の解明等、体内の水動態研究への利用可能性も広がります。 当社は、今後17O-MRI検査の技術開発が促進され、酸素-17安定同位体標識水の需要が高まると考えております。
図1 SPECT検査による脳画像(左)、17O-MRI検査による脳画像(右)
(北海道大学病院放射線診断科 工藤與亮先生 ご提供)
当社では、2015年に国内3基目の「酸素-18安定同位体標識水(Water-18O)※3」製造プラント(年産300kg)を山口県内に増設し、2016年より「Water-18O」の製造を開始しております。 この度、同プラントの副生ガスを利用し、「酸素-17安定同位体標識水(Water-17O)※1」の製造に国内で初めて成功しました。 今後、厳格な品質管理の下、高品質な「酸素-17安定同位体標識水(Water-17O)」の安定供給を行って参ります。
2019年2月1日
図2 Water-17O製造プラント(周南酸素株式会社)
図3 水-17O製品化施設(大陽日酸株式会社SIイノベーションセンター)
図4 Water-17O(H217O)製品外観
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